とうかご登科後
昔日齷齪不足誇
今朝放蕩思無涯
春風得意馬蹄疾
一日看尽長安花
今朝放蕩思無涯
春風得意馬蹄疾
一日看尽長安花
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
昔日の齷齪 誇るに足らず
今朝 放蕩 思ひ涯り無し
春風 意を得て馬蹄疾し
一日 看尽くす 長安の花
現代語訳
かつてのあくせくなど言うに足りない。今朝は心がのびのびして思いは果てしない。春風得意、馬蹄は疾く——一日で長安の花を見つくした。
原文と書き下し文の対照
昔日齷齪不足誇 ― 昔日の齷齪 誇るに足らず
今朝放蕩思無涯 ― 今朝 放蕩 思ひ涯り無し
春風得意馬蹄疾 ― 春風 意を得て馬蹄疾し
一日看尽長安花 ― 一日 看尽くす 長安の花
鑑賞
科挙に受かった朝、春風に乗って馬は疾走し、一日で長安の花を見尽くす——合格の高揚が、そのまま風景になっています。
日本で親しまれる理由
「春風得意馬蹄疾」。春風得意、一日で都の花を見つくす
語句
- 登科
- 科挙に合格すること
- 春風得意
- 望みが叶い得意満面であること(後に成語へ)
- 長安花
- 都・長安の春の花。栄達の景色
作者
孟郊の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
孟郊が四十六歳でようやく進士に及第したときの喜びを詠んだ七絶。