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きっか菊花

元稹|中唐|七言絶句

秋叢繞舎似陶家
遍繞籬辺日漸斜
不是花中偏愛菊
此花開尽更無花
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

秋叢 舎を繞めぐりて陶家に似たり

遍く籬辺を繞れば日漸く斜めなり

是れ花中 偏ひとえに菊を愛するにあらず

此の花開き尽くせば更に花無し

現代語訳

秋の菊の茂みが家をめぐり、陶淵明の家のよう。垣根をぐるりと見て歩くうちに日も傾いた。花の中で菊だけをひいきしているのではない。この花が咲き終えれば、もう咲く花がないからだ。

原文と書き下し文の対照

秋叢繞舎似陶家 ― 秋叢 舎を繞りて陶家に似たり
遍繞籬辺日漸斜 ― 遍く籬辺を繞れば日漸く斜めなり
不是花中偏愛菊 ― 是れ花中 偏に菊を愛するにあらず
此花開尽更無花 ― 此の花開き尽くせば更に花無し

鑑賞

秋の菊の茂みが家をめぐり、陶淵明の家のよう。読み終えても、一年の最後を飾る、大切な花のようにという感触が残ります。

日本で親しまれる理由

「此花開尽更無花」。一年の最後を飾る、大切な花のように。

語句

秋叢
「秋叢」——詩の情景を支える語
繞舎
「繞舎」——詩の情景を支える語
似陶
「似陶」——詩の情景を支える語

作者

元稹の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

元稹(中唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。

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