ホーム › 漢詩一覧 › 小池

しょうち小池

楊万里|南宋|七言絶句

泉眼無声惜細流
樹陰照水愛晴柔
小荷纔露尖尖角
早有蜻蜓立上頭
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

泉眼せんがん 声こえ無なくして細流さいりゅうを惜おしみ

樹陰じゅいん 水みずに照てりて晴柔せいじゅうを愛あいす

小荷しょうか 纔わずかに露あらはす尖尖せんせんたる角つの

早つとに蜻蜓せいていの上頭じょうとうに立たつ有あり

現代語訳

湧き口は音もなく、細い流れを惜しむようにそっと水を出し、木陰は晴れた日のやわらかな光を愛するように水面に影を落とす。小さな蓮のつぼみが、とがった先をのぞかせたばかりなのに、もうとんぼがその上にとまっている。

原文と書き下し文の対照

泉眼無声惜細流 ― 泉眼 声無くして細流を惜しみ
樹陰照水愛晴柔 ― 樹陰 水に照りて晴柔を愛す
小荷纔露尖尖角 ― 小荷 纔かに露はす尖尖たる角
早有蜻蜓立上頭 ― 早に蜻蜓の上頭に立つ有り

鑑賞

小さな池の一瞬をスナップ写真のように切り取った、楊万里らしい軽やかな初夏の詩です。

日本で親しまれる理由

「小荷纔かに露す尖尖の角」

語句

泉眼
泉の湧き口
小荷
蓮の若葉、つぼみ
尖尖角
とがった先
蜻蜓
とんぼ

作者

楊万里の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

南宋の楊万里は、身近な自然を生き生きと詠む「誠斎体」で知られる。

この詩から生まれた名前

あわせて読みたい