しょくしょう蜀相
丞相祠堂何処尋
錦官城外柏森森
映階碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻繁天下計
両朝開済老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙満襟
錦官城外柏森森
映階碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻繁天下計
両朝開済老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙満襟
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
丞相の祠堂 何れの処にか尋ねん
錦官城外 柏森森たり
階に映ずる碧草は自づから春色
葉を隔つる黄鸝は空しく好音
三顧頻繁なり天下の計
両朝開済す老臣の心
出師未だ捷たざるに身先づ死し
長く英雄をして涙襟に満たしむ
現代語訳
蜀の丞相・諸葛亮の祠はどこに訪ねればよいか。成都の城外、柏の木がこんもり茂る所だ。階段に映える緑の草はひとりでに春の色、葉陰のうぐいすはむなしく美しい声で鳴く。劉備は三度も訪ねて天下の計を問い、亮は二代の君主に仕えて老臣の真心を尽くした。だが出陣して勝利を得ないうちに先に世を去り、後世の英雄たちにいつまでも涙で襟を濡らさせる。
原文と書き下し文の対照
丞相祠堂何処尋 ― 丞相の祠堂 何れの処にか尋ねん
錦官城外柏森森 ― 錦官城外 柏森森たり
映階碧草自春色 ― 階に映ずる碧草は自づから春色
隔葉黄鸝空好音 ― 葉を隔つる黄鸝は空しく好音
三顧頻繁天下計 ― 三顧頻繁なり天下の計
両朝開済老臣心 ― 両朝開済す老臣の心
出師未捷身先死 ― 出師未だ捷たざるに身先づ死し
長使英雄涙満襟 ― 長く英雄をして涙襟に満たしむ
鑑賞
三国志の英雄・諸葛孔明への敬慕を詠んだ名作。「出師未だ捷たざるに身先づ死し」の句は、志半ばで倒れた人を悼む言葉として広く引かれます。
日本で親しまれる理由
諸葛孔明を詠む。三国志ファンにも人気
語句
- 丞相
- 宰相。諸葛亮
- 三顧
- 三顧の礼
- 両朝
- 劉備・劉禅の二代
- 出師
- 出兵
作者
杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
上元元年(760年)、成都の武侯祠を訪れた際の作とされる。