じゃっきょうせん鵲橋仙
繊雲弄巧
飛星伝恨
銀漢迢迢暗度
金風玉露一相逢
便勝却人間無数
両情若是久長時
又豈在朝朝暮暮
※日本で一般に読まれている本文によります。長編のため、有名な部分を抜粋して掲載しています。
書き下し文
繊雲 巧を弄し
飛星 恨みを伝へ
銀漢迢迢として暗に度る
金風玉露 一たび相逢へば
便ち勝却す 人間の無数なるに
両情 若し是れ久長の時ならば
又豈に朝朝暮暮に在らんや
現代語訳
細い雲は巧みに形を変え、流れ星は想いを伝え、二人ははるかな天の川をひそかに渡る。秋風と玉露の中でひとたび会えば、人の世の数えきれない逢瀬にもまさる。想いが永く続くなら——毎朝毎晩そばにいなくてもいい。
原文と書き下し文の対照
繊雲弄巧 ― 繊雲 巧を弄し
飛星伝恨 ― 飛星 恨みを伝へ
銀漢迢迢暗度 ― 銀漢迢迢として暗に度る
金風玉露一相逢 ― 金風玉露 一たび相逢へば
便勝却人間無数 ― 便ち勝却す 人間の無数なるに
両情若是久長時 ― 両情 若し是れ久長の時ならば
又豈在朝朝暮暮 ― 又豈に朝朝暮暮に在らんや
鑑賞
織女と牽牛は雲の浪を渡る。金風と玉露の一夜が、無数の地上の逢瀬に勝る。情が久しいなら、朝夕会うことなど要らない——七夕の別れが、愛の強さに転じます。
日本で親しまれる理由
「両情若是久長時、又豈在朝朝暮暮」
語句
- 鵲橋
- カササギが翼で渡したという天の橋
- 金風玉露
- 秋の風と白い露。七夕の夜
- 朝朝暮暮
- 毎朝毎晩会うこと
作者
秦観の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
秦観の七夕詞。逢えない長さより、情の永続を歌う。