ろくさい鹿柴
空山不見人
但聞人語響
返景入深林
復照青苔上
但聞人語響
返景入深林
復照青苔上
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
空山 人を見ず
但だ人語の響きを聞くのみ
返景 深林に入り
復た照らす青苔の上
現代語訳
ひっそりとした山には人の姿は見えない。ただどこからか人の話し声が響いてくるだけだ。夕日の光が深い林に差しこみ、また青い苔の上を照らしている。
原文と書き下し文の対照
空山不見人 ― 空山 人を見ず
但聞人語響 ― 但だ人語の響きを聞くのみ
返景入深林 ― 返景 深林に入り
復照青苔上 ― 復た照らす青苔の上
鑑賞
かすかな人の声と、苔に落ちる一筋の夕日。音と光のわずかな動きによって、かえって山の静けさが際立ちます。王維が「詩中に画あり」と評されるゆえんがよくわかる一首です。
日本で親しまれる理由
「空山人を見ず」。自然詩の代表
語句
- 空山
- ひっそりと人けのない山
- 返景
- 夕日の照り返し(景は光)
- 青苔
- 青い苔
作者
王維の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王維の別荘・輞川荘の景勝を詠んだ連作「輞川集」二十首の一つ。鹿柴は鹿を飼う柵のある場所の名。