しやごか子夜呉歌
長安一片月
万戸擣衣声
秋風吹不尽
総是玉関情
何日平胡虜
良人罷遠征
万戸擣衣声
秋風吹不尽
総是玉関情
何日平胡虜
良人罷遠征
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
長安 一片の月
万戸 衣を擣つの声
秋風 吹いて尽きず
総べて是れ玉関の情
何れの日か胡虜を平らげて
良人 遠征を罷めん
現代語訳
長安の空に月がひとつ。家々からは衣を打つきぬたの音が聞こえる。秋風は吹きやまず、それはみな玉門関にいる夫を思う心をかきたてる。いつになったら異民族を平定して、夫は遠征から帰ってくるのだろう。
原文と書き下し文の対照
長安一片月 ― 長安 一片の月
万戸擣衣声 ― 万戸 衣を擣つの声
秋風吹不尽 ― 秋風 吹いて尽きず
総是玉関情 ― 総べて是れ玉関の情
何日平胡虜 ― 何れの日か胡虜を平らげて
良人罷遠征 ― 良人 遠征を罷めん
鑑賞
月光、きぬたの音、秋風という聴覚と視覚の重なりが、出征した夫を待つ妻たちの思いを包みこみます。「長安一片の月」は日本でもよく引かれる名句です。
日本で親しまれる理由
「長安一片の月」。秋の情景
語句
- 擣衣
- きぬたで布を打ち柔らかくする。冬着の準備
- 玉関
- 玉門関。西域への関所
- 良人
- 夫
作者
李白の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
「子夜呉歌」四首(春夏秋冬)のうちの「秋歌」。六朝の民歌の題を借りた楽府。