えんにあそびてあわず遊園不値
応憐屐歯印蒼苔
小扣柴扉久不開
春色満園関不住
一枝紅杏出牆来
小扣柴扉久不開
春色満園関不住
一枝紅杏出牆来
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
応に屐歯の蒼苔に印するを憐れむべし
小く柴扉を扣けども久しく開かず
春色 園に満ちて関せども住まらず
一枝の紅杏 牆を出で来たる
現代語訳
下駄の歯が苔を傷つけるのを惜しんだのだろうか。柴の戸を軽くたたいても、長いこと開かない。けれど庭いっぱいの春は閉じこめられず——一枝の紅い杏が塀の外へ顔を出す。
原文と書き下し文の対照
応憐屐歯印蒼苔 ― 応に屐歯の蒼苔に印するを憐れむべし
小扣柴扉久不開 ― 小く柴扉を扣けども久しく開かず
春色満園関不住 ― 春色 園に満ちて関せども住まらず
一枝紅杏出牆来 ― 一枝の紅杏 牆を出で来たる
鑑賞
苔に下駄の跡を残すのを惜しみ、柴の戸をたたいてもなかなか開かない。それでも園の春は閉じこめられず、紅い杏が一枝、塀の外へ——会えなくても、春は溢れてくる。
日本で親しまれる理由
「春色満園関不住、一枝紅杏出牆来」
語句
- 遊園不値
- 園を訪れたが主人に会えなかった
- 紅杏
- 赤い杏の花
- 出牆
- 塀の外へはみ出す
作者
葉紹翁の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
葉紹翁の七絶。不遇の訪問が、かえって春の活力を描く。