かいきょうぐうしょ回郷偶書
少小離家老大回
郷音無改鬢毛衰
児童相見不相識
笑問客従何処来
郷音無改鬢毛衰
児童相見不相識
笑問客従何処来
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
少小 家を離れ老大にして回る
郷音 改まる無く鬢毛衰ふ
児童 相見て相識らず
笑ひて問ふ客は何れの処より来たると
現代語訳
若いころに家を離れ、年老いて帰ってきた。お国なまりは変わらないが、髪はすっかり薄く白くなった。子どもたちは私を見ても誰だかわからず、笑いながら「お客さん、どこから来たの」と尋ねる。
原文と書き下し文の対照
少小離家老大回 ― 少小 家を離れ老大にして回る
郷音無改鬢毛衰 ― 郷音 改まる無く鬢毛衰ふ
児童相見不相識 ― 児童 相見て相識らず
笑問客従何処来 ― 笑ひて問ふ客は何れの処より来たると
鑑賞
故郷に帰ったのに「お客さん」と呼ばれる。ユーモアの中に、過ぎた歳月への感慨がしみじみとにじむ一首です。
日本で親しまれる理由
「少小家を離れ老大にして回る」
語句
- 少小
- 若いころ
- 老大
- 年をとって
- 郷音
- お国なまり
- 鬢毛
- 耳ぎわの髪
作者
賀知章の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
賀知章が八十歳を過ぎて官を辞し、故郷の越州に帰ったときの作とされる。二首連作の第一首。