さんちゅうもんどう山中問答
問余何意棲碧山
笑而不答心自閑
桃花流水窅然去
別有天地非人間
笑而不答心自閑
桃花流水窅然去
別有天地非人間
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
余に問ふ 何の意ありてか碧山に棲むと
笑ひて答へず 心自づから閑なり
桃花 流水 窅然として去る
別に天地の人間に非ざる有り
現代語訳
人が私に尋ねる、どういうつもりで緑深い山に住んでいるのかと。私は笑って答えないが、心はおのずとのどかだ。桃の花びらを浮かべた川の水が、はるか遠くへ流れ去っていく。ここには俗世とは別の天地があるのだ。
原文と書き下し文の対照
問余何意棲碧山 ― 余に問ふ 何の意ありてか碧山に棲むと
笑而不答心自閑 ― 笑ひて答へず 心自づから閑なり
桃花流水窅然去 ― 桃花 流水 窅然として去る
別有天地非人間 ― 別に天地の人間に非ざる有り
鑑賞
問いに「笑って答えない」ことこそが答え。桃源郷を思わせる後半が、言葉にしない理由を美しく示しています。
日本で親しまれる理由
「別に天地の人間に非ざる有り」
語句
- 碧山
- 緑深い山
- 窅然
- はるかに遠いさま
- 人間
- 人の世、俗世間(「にんげん」ではない)
作者
李白の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
「山中にて俗人に答ふ」と題する本もある。